研究課題/領域番号 |
21605013
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
袴田 昌高 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究員 (30462849)
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研究分担者 |
多井 豊 独立行政法人産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門, 研究グループ長 (20357338)
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キーワード | 多孔質金属 / 脱合金化 / 表面拡散 / パラジウム / ニッケル / 触媒 |
研究概要 |
ナノ多孔質金属の微細孔化を目指し、種々の脱合金化条件(電解条件、出発合金等)を検討した結果、ナノ多孔質Pdについては電解時間を過度に長くすると、Pd原子の固体/電解質界面における拡散が進み、細孔径が粗大化した。このことから、孔径微細化のためには適切な電解時間の電解が必要であることがわかった。また、ナノ多孔質Pdの出発合金は、単相固溶合金のなかではPd-Coが適しており、この場合、硫酸や硝酸等、Coを溶解する種々の酸を電解液として用いることで、ナノ多孔質Pdを作製できることをつきとめた。一方、Pd-FeやPd-Niの組み合わせの場合はナノ多孔質Pdが形成されなかった。このナノ多孔質Pdの形成の成否に関しては、出発合金の組み合わせによって固体/電解質界面のPd原子拡散挙動が異なることが原因であることを、表面分析(EDXおよびXPS)により推測した。 一方、ナノ多孔質Niについては、Ni-Mnを出発合金とした脱合金化により形成されるが、出発合金に第3元素としてCuを添加した結果、孔径が粗大化することがわかった。Cu添加によって固体/電解質界面の拡散が促進されることが孔径粗大化の原因であると推測される。逆に、固体/電解質界面の拡散を抑制するような第3元素を添加すれば、孔径を微細化できることが示唆される。 また、ナノ多孔質金属を触媒として用いた気相反応ラインを構築し、ナノ多孔質金属による一酸化炭素(CO)の酸化反応測定手法を確立しつつある。大気中で取り扱った際に触媒自身の酸化・発熱が起こってしまうナノ多孔質Niについては測定手法や試料取り扱いに改良の必要があり、検討中である。
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