研究課題/領域番号 |
21610003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 諭史 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (40431506)
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研究分担者 |
金澤 素 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70323003)
福土 審 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80199249)
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研究期間 (年度) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 内臓知覚過敏 / 過敏性腸症候群 / 注意制御 / 小児腹痛 / 養育態度 / 事象関連電位 / 聴覚誘発電位 / 行動抑制 |
研究概要 |
平成24年度は、前年度までに検証してきた以下の仮説について、症例数を拡大して再現性を検証し、さらに性差について追加検証を行った。 ≪仮説≫7歳時点で内臓知覚過敏(機能性腹痛)の既往歴を有する子どもは、これを有さない子どもに比べて、(1) 情動コンフリクト(Go/Nogo)刺激を呈示されたときに誘発される注意制御関連電位の反応性が高い。(2) 聴覚刺激時に誘発される大脳誘発電位の反応性が高い。 対象は、東北コホート調査に登録された生後84か月の児童―母親ペアのうち神経生理学検査に参加した284組であった。対象児200名に国際10-20法を用いて脳波電極を装着し、75dBの聴覚刺激時の聴覚誘発電位とGo/Nogo課題中の事象関連電位を測定した。同時に母親からChildren Somatization Inventory(CSI)を聴取した。CSIは子供の身体症状を定量化するものである。CSI腹部症状関連項目合計得点の高い群を機能性腹痛群、低い群を対照群とし、群間比較を行うとともに、性差との交互作用効果を検定した。 聴覚誘発電位では、潜時0-10msecの明瞭なABR(I~V波)が得られた。機能性腹痛群は対照群に比べてIII波の潜時が有意に短かった。この群間差は女児で強く認められた。事象関連電位では、潜時200-400msecのN2電位が得られた。機能性腹痛群は対照群に比べてNogo刺激時のN2電位の潜時が有意に短かった。この群間差に性差は認められなかった。 これまでにわれわれのグループは、成人の過敏性腸症候群患者で内臓刺激に対する脳幹および背外側前頭前野の脳血流反応が増強している所見を得ている。このような脳活動の変化は7歳で既に生じており、その変化には一部性差があると考えられる。発達早期からの過敏性腸症候群予防法として注意制御をターゲットとした認知的介入の有用性が示唆される。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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