本年度は、主に評価プログラム用ソフトウェアの修正を芝浦工業大学の協力のもと行い、健常児に対する調査を実施した。評価プログラムは健常児に対しては、容易に実施可能であり、モチベーションも高く、児童に対する評価機器としては導入しやすいものであると考えられた。結果の表示および分析機能について、今後追加する必要性があることも明らかとなった。 発達障害児の中には、目と手の協調性を必要とする微細な運動コントロールに困難さを有する児が多く、特に学齢児では、学習面における書字や道具の使用について困難さを抱えている。作業療法ではこのような児童に対し支援を実施しているが、客観的指標に基づく評価はほとんどされておらず、観察が中心となっている。本研究では目と手の協調性の中でも、不器用ということに着目し、不器用な児童は健常児童と比較しどのような特徴を有するのか明らかにすることを目的としており、また、EBMに基づく作業療法の評価にも非常に有意義であると考える。 情報収集の機会としては、The 25th Annual International Technology & Persons with Disabilities Conferenceに参加し、発達障害児支援では先進的な米国の評価・支援システムの現状を視察した。拡大・代替コミュケーション機器は多種多様であり、非常に参考になったが、評価や効果検証という視点のものは少なく、改めて必要性を実感した。
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