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2010 年度 実績報告書

母親の精神疾患が子供へ与える影響とその要因

研究課題

研究課題/領域番号 21610019
研究機関東北薬科大学

研究代表者

只野 武  東北薬科大学, 薬学部, 教授 (80104082)

研究分担者 中川西 修  東北薬科大学, 薬学部, 講師 (50296018)
キーワードうつ病 / 育児放棄 / 母性行動 / ドパミン
研究概要

昨年度、うつ病の動物モデルである嗅球を摘出した(olfactory bulbectomy : OBX)マウスの母性行動を解析したところOBXマウスの母性行動が障害され、その障害は、ドパミン(DA)アゴニストであるアポモルヒネによって改善されたことから中枢のDA作動性神経の機能変化が関与することを行動薬理学的に見出した。中脳辺縁系のDA作動性神経回路は、母性行動の基盤となっている報酬機能を司っていることが知られており、その機能不全は、母性行動障害を招くことが予想される。本年は、報酬機能を評価する為に嗜好性テストの一つであるsucrose preference testを行った。その結果、出産後OBXマウスの報酬機能は著しく障害していた。さらに、DA神経のプレシナプスの機能を検討する為、DAの前駆物質であるL-DOPAがOBX誘発性母性行動障害に及ぼす影響並びにDA神経のプレシナプスのマーカーであるチロシン水酸化酵素(TH)レベルを測定した。
L-DOPA投与によってOBXマウスにおける母性行動障害が有意に改善した。側坐核のTHレベルは正常レベルであった。これらのことから、母性行動の原因として報酬機能の低下及び中脳辺縁系のDA神経機能変化が示唆された。しかしながら、中脳辺縁系に存在するDA神経のプレシナプス機能は正常である為、次年度は、後シナプス側のDA受容体の機能について検討する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of non-selective dopaminergic receptor agonist on disrupted maternal behavior in olfactory bulbectomized mice2010

    • 著者名/発表者名
      Sato A, Nakagawasai O, Tan-No K, Onogi H, Niijima F, Tadano T
    • 雑誌名

      Behav Brain Res

      巻: 210 ページ: 251-256

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of olfactory bulbectomy on maternal behavior and dopaminergic function in nucleus accumbens in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Sato A, Nakagawasai O, Tan-No K, Onogi H, Niijima F, Tadano T
    • 雑誌名

      Behav Brain Res

      巻: 215 ページ: 141-145

    • 査読あり
  • [学会発表] うつ病が報酬機能や母性行動に与える影響-モデル動物を用いた検討-2010

    • 著者名/発表者名
      中川西修、佐藤敦、小野木弘志、中谷孝太、望月成美、新島富紀枝, 丹野孝一, 只野武
    • 学会等名
      第12回応用薬理シンポジウム
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2010-09-19
  • [学会発表] 精神神経疾患の発症機序解明の為のモデル動物作製2010

    • 著者名/発表者名
      中川西修
    • 学会等名
      日本薬学会東北支部第9回医療系薬学若手研究者セミナー
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] 嗅球摘出マウスの母性行動と報酬機能におけるドパミン神経系の関与2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤敦、中川西修、小野木弘志、中谷孝太、望月成美、新島富紀枝、丹野孝一、只野武
    • 学会等名
      第14回神経科学領域における分子モニタリングシンポジウム
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      2010-06-04

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公開日: 2012-07-19  

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