研究概要 |
平成22年の那覇市の児童の保護者14,072人の回答結果。医師の診断を受けた児は、喘息15.1%、アトピー性皮膚炎8.3%、何らかのアレルギー疾患の診断を受けた児(アレルギー体質児)は36.7%。児の肥満(肥満度20%以上)は1年4.4%、2年6.5%、3年7.7%、4年6.9%、5年9.4%、6年9.4%。 因子分析(主因子法 マトマックス回転)の結果、アレルギー体質児は「脂っこい洋食の過多」「早食い傾向」「孤独な食事」「屋内での独り遊び」「友達も遊びも少ない」「虚弱な神経質」「市街地環境」の因子が抽出。喘息児、アトピー性皮膚炎児も同様な因子であった。ロジスティック解析(変数増加法ステップワイズ(尤度比))の結果、アレルギー体質児において「兄弟の順位が遅いほどアレルギー体質になる確率が有意に減る」「スポーツ時間が長いほどアレルギー体質でない確率が有意に高い」という結果がでた。喘息児も「兄弟の順位が遅いほど喘息になる確率が有意に減る」という結果がでたが、アトピー性皮膚炎児はない。両検定とも、肥満児を除いた結果も同様であった。 肥満児の結果は「脂っこい洋食の過多」「早食い」「間食とる「屋内の独り遊び」「友達も遊びも少ない」「市街地環境」「子どもの将来に希望が強い」「手伝いをさせない」「家庭行事が減った」の因子を抽出。ロジスティック解析では「初潮がある児の方が有意に高い」という結果がでた。両検定において、アレルギー体質児を除いた結果も同様であった。 都市化を示す因子において、アレルギー体質児、喘息児、アトピー性皮膚炎児、肥満児の発症率が有意に高く、反対の傾向を示す結果はなかった。復帰後20年間に比べ、その後の20年間の発症率は緩やかだが、子どもの生活環境の都市化は進み、それを強く受ける子どもに発症率が高いことが示唆された。肥満児の発症率は都市の平均値に近づき、子どもの食生活と育て方の影響を強く受けることが示唆された。
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