研究課題/領域番号 |
21610023
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研究機関 | 名古屋芸術大学 |
研究代表者 |
金田 利子 名古屋芸術大学, 人間発達学部, 教授 (60086006)
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研究分担者 |
草野 篤子 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (00180034)
主藤 久枝 白梅学園短期大学, 実習指導センター, 助教 (80585117)
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キーワード | 世代間交流 / 子どもの発達 / 後期高齢者 / 労働的遊び / 地域での聞き取り / 実験から実践へ / 自然な関わり / 保育カリキュラム化 |
研究概要 |
21年度には、サブタイトルにある内容にあたる実践的実験を行った。具体的にはH市の保育園と関わる高齢者グループが大豆の加工であるきな粉と豆腐の作り方を5歳児に「教え」、5歳児は労働的遊びとして、きな粉づくり、豆腐づくりを楽しんだ。その結果、幼児はものの作られるプロセスを楽しみながら学習し、それを通して高齢者の存在に気付き関係が深まっていった。高齢者は、初めは労働として対処していたが、子どもから面白がることを学び、また自分たちの社会的存在価値を認識することができた。 22年度にはこの成果を国内外の学会で発表した。国内では日本保育学会、日本発達心理学会で発表し、且つ自主シンポジウムを展開した。海外では世界幼児教育機構で報告した。一方で昨年までの取り組みが地域の一人暮らしの高齢者を社会的に引き出す契機にならないかと、H市の社会福祉協議会、民生委員の協力を得て一人暮らしの高齢者のヒアリングを行った。その結果、一人暮らしの高齢者には3つのタイプがあることが分かった。1.積極的に外に出たい。2.出たがらない。3.外に出たいがその場合は今までのキャリアを生かしたい。2のタイプの人を引き出すために1のタイプの人の協力を必要とするなどの方法を見出すことができた。 23年度には、21年度の実践的実験を実験から実践にしていくため、保育園ぐるみ、保育者の課題として保育内容に組み込んでいく事を試みた。21年度に協力を得ていた園の理事長がその法人の第3番目の園を立ち上げ自ら園長になったのを契機に、その園の保育カリキュラムに組み込むよう協同した。その際保育者自らの課題になるよう留意した。地域の高齢者も自然な形で園に来られるよう「どうぞの椅子」を用意して様子を捉えてきた。そうした結果を踏まえつつ園と共同で、21年度にやってきたことを特別の実験ではなく実践化したカリキュラムを作ることができた。
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