研究課題/領域番号 |
21610024
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
村上 学 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教 (00288309)
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研究分担者 |
竹上 勉 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (10113490)
石垣 靖人 金沢医科大学, 総合医学研究所, 准教授 (20232275)
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キーワード | 日本脳炎 / ウイルス / 感染症 / 蚊 / コガタアカイエカ / フラビウイルス / アルボウイルス / ドライアイストラップ |
研究概要 |
本助成により21年度から開始したCDC512型トラップ+ドライアイスを用い、石川県内豚舎周辺での野外蚊採集を継続実施した。コガタアカイエカの採集数は2009年(冷夏)1533頭,2010年(猛暑)7767頭,2011年(例年並み)7368頭となった。また、猛暑の2010年は例年ではあまり採集されないシナハマダラカやオオグロヤブカ等の採集数も激増した。採集したコガタアカイエカから日本脳炎ウイルスの分離を試みた結果、RT-PCR法でのウイルスRNA検出試験では2009年1サンプル陽性、2010年12サンプル陽性、2011年1サンプル陽性の結果を得た。陽性サンプルはすべてVero細胞に感染させ増殖分離を試みたが、分離ウイルスは得られなかった。 今回、採集されたコガタアカイエカは95%以上が豚舎近辺で採取されている。これらの豚舎近隣には保育園、幼稚園や小学校が点在しており、子ども達が多数集まるエリアである。ウイルス分離RT-PCR法では2010年:12サンプルで陽性の結果が出ており、蚊が日本脳炎ウイルスを媒介していることは確実である。 日本脳炎ワクチンの接種は再開されているが、中止前の接種率までには回復していない、子ども達の一部はいまだノーガードでウイルス感染の危険に曝されている可能性があり日本脳炎患者増加を防ぐ手立てとして媒介昆虫のモニタリングはますます必要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は毎年の気象環境とウイルス媒介蚊の発生状況をモニタリングすることを目的としており、成果が上がれば研究が進むといった性格のものではない。3年目が終了し、モニタリング手法が確立されことから今後も継続して調査を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の研究計画と変わりなく、気象環境とウイルス媒介蚊発生状況をモニタリングして行く。研究計画の変更や問題点はない。
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