研究概要 |
本研究の目的は、ネパール国丘陵地と都市における生活習慣の違いが、子どもの形態および身体組成の変化に与える影響を検討することである。平成21年度は、2歳から16歳までの丘陵地農村(Kotyang)の196名と都市(Kathmandu)の202名について、身長、体重、皮下脂肪厚7部位、生体電気インピーダンスの計測し、除脂肪量や体脂肪量などの身体組成を算出した。また3日間の歩数・消費カロリー、24時間心電図記録による日常生活中の心拍数、質問紙法による食餌調査および食餌内容調査を実施した。その結果、身長、体重、体格(BMI)および体脂肪成分(FMI)は、都市近郊地域より丘陵地小児の方が低い値であったが、除脂肪指数(FFMI)に関しては生活環境の違いによる差が認められなかった。10-14歳の平均歩数は18,052±2,778歩/日で、心拍数のデータから、日常生活中の運動強度は無気的な運動はほとんど認められず、心拍予備の30~40%に相当する運動強度で生活していることが明らかになった。栄養素摂取量等の地域差に関しては現在分析中である。
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