研究概要 |
本研究は,発展途上国のネパール国において,生活形態の異なる都市と山岳地農村に居住する子どもの身体活動量と栄養素摂取量の実態を明らかにし,それらの差違が子どもの身体組成の変化に与える影響を明らかにすることを目的とした.測定は, 3歳から12歳までの都市小児409名と山岳地小児943名の計1, 352名を対象とし,人体計測,皮下脂肪厚,周径囲,身体組成,日常歩数および栄養素摂取状況を調査した.本研究の結果,日常の身体活動量および栄養素摂取量に有意な地域差が認められ,体重あたりの総消費熱量は山岳地,総摂取熱量は都市で高い値を示した.また,エネルギー収支差が除脂肪成分でなく体脂肪成分の顕著な差となって現れたことから,小児期からの望ましい運動習慣や食生活の形成が必要であることが示唆された.
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