研究課題
本研究は、代表者ら独自のアイデアである『関心領域X線照射方式』と『動き補償動画像生成方式』に基づき、低被曝量で統計雑音が少ない高画質のCT画像が得られる新しいCTの構成方式を確立することを目的とする。本年度は、これを実現するために克服すべき小テーマの中で、1)ダイナミックCTにおける少数方向投影からの画像再構成法の開発、2)関心領域X線照射方式の基礎となる部分領域再構成問題(X線を物体の一部関心領域のみに照射した投影データからCT画像を再構成する問題)の数理的性質解明、の2つの研究を行った。1)の小テーマについては、前年度に示した『被曝量低減のため測定時間を短時間に設定すると動画像の生成は少数方向投影データからの画像再構成に帰着する』事実に着目して、動画像の時間方向の相関と空間方向の相関からリファレンス画像やリファレンスヒストグラムの形で事前情報を構築して、これを利用してコンプレストセンシングの手法に基づく画像再構成の正則化を行い高品質な画像を生成する画像再構成法を開発した。そして、シミュレーション実験とCT装置で取得した心臓撮影の実データを用いた実験を行い、再構成画像の画質(動きアーティファクト・時間分解能・定量性)・被曝量低減効果・計算時間を評価した。2)の小テーマについては、前年度の研究を継続して部分領域再構成の理論を発展させて、解の一意性が成立する新しい投影データと先見情報の組合せの発見・解の一意性が成立しない場合の再構成誤差(アーティファクト)の特徴付け・解の一意性が成立する場合の解析的逆変換の構築・SPECTへの拡張を行った。特に、先見情報が解を一意に定めるのに不十分な場合の再構成誤差を数学的に特徴付けることに成功した。そして、既存の研究で知られていなかった幾つかの新事実を解明して、実用的に有効と考えられる場合についてシミュレーション実験による実証を行った。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
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