研究課題/領域番号 |
21611002
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
照沼 利之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助手 (40361349)
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研究分担者 |
櫻井 英幸 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50235222)
榮 武二 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60162278)
安岡 聖 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50200499)
西尾 禎治 国立がんセンター東病院, 臨床開発センター粒子線医学開発部粒子線生物学室, 室長 (40415526)
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キーワード | 動体追跡 / マーカーレス / 呼吸同期 / X線透視 / 高精度放射線治療 / リアルタイム / 強度変調 / スキャニング照射 |
研究概要 |
本年度は、我々が開発している患者体内に標的金属マーカーを留置しない非侵襲的な動体追跡システムについて、より高精度で高信頼の追跡を可能にするためのハードウェアとソフトウェアの整備と強化を進めることが研究目的であり、ほぼ実施計画通りの成果が得られた。 具体的には、ハードウェア面では、従来よりもX線動画像を高解像度で取り込むことを可能とし体内の情報量が増加した。同様に、体表情報も従来のレーザー距離計による一点測定だけではなくTOF式赤外線距離カメラと光学カメラにより多点測定を可能とし情報量が増加した。これら体内外の複合的な情報を並列計算により処理するシステムの基本構成を構築した。 ソフトウェア面では、追跡精度を呼吸位相毎にパターンマッチングの相互相関係数を基にするコスト関数で評価した。結果として、通常は高い追跡精度が得られるが、低コントラスト画像追跡時にテンプレート画像取得時付近の呼吸位相でも的外れ検出が僅かに発生することが判明した。的外れ検出位置は、ガウス分布型測定誤差を大きく外れるためカルマンフィルター等の線形フィティングでは除去困難であることも明らかどなった。この問題への対応として、線形フィルタで多く採用されている最小2乗法ではなく、的外れデータに比較的強い最小絶対残差によるフィルタを試みたところ、的外れデータが連続しない場合には効果があることが明らかになった。 今後、追跡精度の向上と信頼性確保のためには、リアルタイムで体内外情報を有効に利用しながら、パターンマッチングの精度そのものを向上させ、非線形フィルタの適応等による誤検出除去をする必要があるという課題も明らかになった。
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