研究概要 |
平成22年度は,前年度の研究成果(人工林ストックの空間的増減モデル)を用い,都市と森林の炭素循環に関して,空間的・時間的変化を考慮した物質代謝モデルの構築を行った。具体的には,住宅用の木材需給が人工林による炭素固定に与える影響について地理条件を考慮しつつ評価を行うことを目的とする.木材需要の多くを占める住宅向け需要が変化した場合,人工林の炭素固定量がどのように変化するかを木材の需要面,供給面でシナリオを設定し,2050年までの検討を行った.需要側のシナリオでは,人口・世帯数の変化や,長寿命型住宅の導入による木造住宅の寿命の変化を考慮する.また,供給側では,木材の搬出の容易性について地理情報を考慮しつつ検討し,植林や伐採等の管理計画に関するシナリオを設定した.平成23年度は,これらのシナリオをベースにして,木材供給能力と住宅寿命とを考慮した持続可能性について深く検討を進める。
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