研究課題
本研究では、光合成微生物である好熱性ラン藻にH^+を水素に還元する酵素遺伝子を導入して機能的に発現させることを目的として、本年度は、第一の反応を担う水の酸化メカニズムを分子レベルで明らかにすること、および、発現させたタンパク質を目的の場所で機能する系を確立した。まず、水の酸化機構については、その触媒中心であるMn_4Caクラスターに配位していると考えられるDl-His332をAlnおよびGlnに置換した好熱性ラン藻の部位特異的変異株を作製して解析を行った。その結果、このアミノ酸は水の酸化中間体のなかでも、特に水分子の取り込みに大きく関与していることが明らかになった。更に、水の速度が速くなる変異株について詳細に調べたところ、電子伝達速度の律速段階になっている電子受容体周辺の構造が変化し、その電子受容体の酸化還電位が変わっていることが明らかになった。目的遺伝子の目的の場所での発現系を確立するために、発現制御に適したプロモータを探索し、検出しやすいレポータータンパク質(重金属結合タンパク質)に光化学系IIの表在性タンパク質のチラコイド膜輸送シグナルを連結して好熱性ラン藻における発現場所を調べた。その結果、重金属結合タンパク質が構造を維持して機能的に発現し、目的の場所であるチラコイドルーメンに輸送されてプロセシングを受けることが確認された。
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