研究概要 |
前年度以前に作成したボールミルを加熱できる水熱粉砕装置を作成した上でユーカリを原料に、ボールミルのボール荷重、回転数、目標温度、試料濃度をを変化させた実験を行った。ボールの荷重を250~1000gまで250g刻みで変化させ実験を行った。250~750gまではグルコース収率等にさほど変化が見られなかったが、ボールの荷重が1000gになるとグルコース収率が上昇し、変化が見られた。この事から試料の量とそれに対するボールの量は重要な関係であると考えられる。(ホテアオイを用いた場合の結果ではボールの荷重が500gの時に最も良いグルコース収率を得ている。これは試料の硬さによって最適なボールの荷重が存在することを示唆していると考える。)回転数を0~300rpmまで100rpm刻みで変化させて実験を行った。結果、100rpmで最も良いグルコース収率を得る事ができ、200rpm以上ではグルコースの収率が減少していた。(ホテアオイを用いた時の結果では200rpmで最も高いグルコース収率を得られていた為、200rpmに関しては再実験を行う予定)。もし200rpmでもう一回実験を行って同じ結果を得られたならば、ホテアオイの結果と比較して、試料の硬さによって最適な回転速度は変化すると考えられる。目標温度を180~2600Cまで200C刻みで変化させて実験を行った。結果180~220OCまではグルコースの収率が上昇していき240OCでグルコースの収率が低下し過分解物質が急激に増加した。これはセルロースの熱分解温度が240OCであると言われていることと一致している。(このことからセルロースを大量に含む試料では水熱粉砕前処理は240OC以下ですることが望ましいと考える。)試料濃度を5,10,15wt%と変化させて実験を行ったところ10wt%で最も良い結果を得られた。15wt%ではグルコース収率が低下し、過分解物質が増加していた。この結果からボールの量に対する最適な試料の量が存在すると考えられる。
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