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2009 年度 実績報告書

賦活領域の微細構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 21613001
研究機関北海道大学

研究代表者

山本 徹  北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80261361)

研究分担者 黄田 育宏  (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (60374716)
キーワードMRI / 血行動態 / 微小循環 / 脳機能 / fMRI
研究概要

賦活領域を局在化するためにはアーチファイト対策が重要となり、そこで、従来対策が施されていない低レベルアーチファクトの解析を行った。その結果、fMRIで多用される画像処理ソフトウェアであるSPMの体動補正に起因して帯状にアーチファクトが発生することを発見し、その程度がタスク周期に同期した体動成分の大きさに相関することを明らかにした。通常、体動変位量が閾値(1mm程度)よりも大きな場合に、得られたfMRI撮像データを棄却する処理が行われるが、新たに導入したタスク周期に同期した体動成分の大きさにより棄却処理を行うことでアーチファクトを効果的に低減できることが判明した。
MRI拡散強調撮像のパラメータであるb値が低い値のとき、毛細血管のランダムな血流からの磁気共鳴信号が反映されるといわれており、そのことに着目し、エコー時間を広く変えて低b値で現れる磁気共鳴信号を解析した。その結果、その信号には毛細血管内血流以外のStarlingの原理による細胞間液からの寄与が示唆され、この信号を利用する撮像法により今までにない微小循環情報の画像化が期待される。
ラット前足に様々な電流値・周波数の電気刺激を行い、動物用7T MRI装置にてBOLD信号を測定するとともに、体性誘発電位も測定し、BOLD信号と神経活動との定量関係を詳細に解析した。誘発電位などで規定される神経活動と脳血行動態との関係は、従来、y切片を持つ線形モデルやpower lawモデルなどの数式表現でのみで議論されてきたが、刺激電流と刺激パルス幅の積(ISP : the intensity of the stimulation pulse)を導入することで、その値により、神経活動とBOLD信号の関係が線形領域、非線形領域に分類できることを明らかにした。特に、低ISPのとき背景脳波によるエネルギー消費が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Comprehensive correlation between neuronal activity and spin-echo blood oxygenation level-dependent signals in the rat somatosensory cortex evoked by short electrical stimulations at various frequencies and currents2010

    • 著者名/発表者名
      Kida, I., Yamamoto, T.
    • 雑誌名

      Brain Research 1317

      ページ: 116-123

    • 査読あり
  • [学会発表] Statistical Parametric Mappingの体動補正に起因するfMRIアーチファクト2010

    • 著者名/発表者名
      久保田寛治, 佐藤泰彦, 山本徹
    • 学会等名
      第99回日本医学物理学会学術大会
    • 発表場所
      横浜市, パシフィコ横浜(発表確定)
    • 年月日
      2010-04-09
  • [学会発表] 拡散強調信号に現れる微小循環情報2010

    • 著者名/発表者名
      荻子仁泰, 鈴木道貴, 久保田寛治, 山本徹
    • 学会等名
      第22回臨床MR脳機能研究会
    • 発表場所
      東京都千代田区, 東京商工会議所
    • 年月日
      2010-03-06
  • [学会発表] 低b値拡散強調信号に現れる微小循環情報2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木道貴, 荻子仁泰, 山本徹
    • 学会等名
      第37回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      横浜市, パンパシフィック横浜ベイホテル東急
    • 年月日
      2009-10-02
  • [学会発表] 体性感覚野刺激による神経活動とBOLD信号の包括的な関係2009

    • 著者名/発表者名
      黄田育宏, 山本徹
    • 学会等名
      第13回酸素ダイナミクス研究会
    • 発表場所
      東京都千代田区, 島津製作所東京支社
    • 年月日
      2009-09-12

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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