研究課題/領域番号 |
21613004
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40526878)
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研究分担者 |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
松橋 眞夫 京都大学, 医学研究科, 助教 (40456885)
麻生 俊彦 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50397543)
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キーワード | fMRI / 拡散強調MRI / 非神経-血流カップリング / 乳幼児MRI / RFシールド |
研究概要 |
これまで、拡散強調画像法を用いた機能的MRIのヒトへの応用は、単純なフリッカーなどの視覚刺激を使って後頭葉にある視覚野の応答を観察してきた。21年度は、より高次の情報処理が生じているとされる頭頂葉・側頭葉での応答を観察した。用いたのは漢字のワーキングメモリ課題で、被験者に、連続的に提示される漢字が二つ前のものと同じだった場合にボタン押しで応答させた。この課題では漢字を認識することに伴なう側頭葉後部と、ワーキングメモリ課題で一般に賦活される頭頂間溝の活動が予測され、拡散強調法と従来法ともに、それら領域の活動を検出できた。視覚野で見られたのと同様、拡散強調信号はBOLD法よりも立ち上がり、下がりともに早い応答を見せた。またBOLD法では被験者の間でも、脳部位の間でも応答にばらつきがみられたが、拡散強調法ではピーク潜時やアンダーシュートに見られるばらつきが少なかった。これは拡散強調信号が検出する事象が、より神経活動そのものに近く、血流現象を媒介していないとの我々のモデルに一致した。 また、乳幼児のMRI撮像に関して、検討を行った。近年の神経科学や脳神経臨床では、乳幼児の発達過程をMRIを用いて形態的、機能的両側面から調べることにより、非常の興味深い知見が得られ始めており、DfMRI法の応用先として候補の一つとなっている。しかし、麻酔や動き、乳幼児や親の心理的負担の問題から、未だにその撮像は容易ではない。そのため、付添人が乳幼児と一緒にMRI装置内に入り、直接観察が可能な手法に関して初期検討を行った。具体的には、付添人役がMRI画像上に写らないようにするためのRFシールド検査着の開発、乳幼児ファントムの作製、及びファントム撮像による画像及び付添人への影響の調査、を行った。その結果、付添人の存在によるアーティファクト等は観測されなかったものの、画像のSNRは半減、付添人への末梢神経刺激を低減するため、スルーレートも半減させなければならないことが分かった。
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