研究課題/領域番号 |
21613004
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大石 直也 京都大学, 医学研究科, 研究員 (40526878)
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研究分担者 |
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
松橋 眞夫 京都大学, 医学研究科, 助教 (40456885)
麻生 俊彦 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50397543)
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キーワード | fMRI / 拡散強調MRI / 非神経-血流カップリング / ワーキングメモリタスク |
研究概要 |
平成22年度は、前年度に引き続き、漢字ツーバックワーキングメモリタスクを用いて、拡散強調機能的MRI撮像法(DfMRI法)と、グラディエントエコー法、スピンエコー法を用いた機能的MRI撮像法(GE-BOLD法,SE-BOLD法)の比較を行った。特に、被験者数を21人まで増加させ、ランダムイフェクトモデルを用いたグループ解析(SPM8のDARTEL法)を行うことにより、より高精度に3者の差異を明確化する事を試みた。その結果、3者全ての方法により、第一次視覚野と頭頂間溝正に活動部位が見られ、それぞれの部位での正規化後のDfMRI信号の時間変化は、GE-BOLD法、SE-BOLD法のそれらより数秒早いことが確認された。これらの結果は、今までに得られた我々の結果と同じであり、DfMRI信号源が、血流由来の物だけでは説明がつかないことを、より高信頼度で明らかに出来たと言える。 また、数理モデルによる理論解析により、血流変化のDfMRI信号への寄与、特に血管内デオキシヘモグロビンが形成する傾斜磁場と傾斜磁場コイルが形成する傾斜磁場との相互作用の影響を調査した。この相互作用はDfMRI信号変化を抑制する方向に働き、実験結果の解釈を困難にする要因であるため、その影響の定量化、また抑制法の開発が期待されている。理論解析においては、拡散強調撮像法として使用されるStejeskal-Tanner法及びTwice-refocusing法それぞれにおいて、そのDfMRI信号をモデル化し、理論的に前者が後者よりも相互作用の影響が大きく、その抑制は不可能であること、一方、後者においては、完全に相互作用を抑制できる撮像シーケンスの最適化が可能であることを見いだし、その理論値を導出した。 なお、予定していたDefault Mode Network法への応用に関しては、DfMRI法の低SNR性のため、十分に信頼性の高い結論を得ることは出来ず、更なるDfMRI法の改良が必要であることが分かった。
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