研究課題/領域番号 |
21613005
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
陳 国躍 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20282014)
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研究分担者 |
中村 和浩 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), 放射線医学研究部, 主任研究員 (10312638)
水沢 重則 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), 循環器内科学研究部, 主任研究員 (80360361)
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キーワード | 脳・神経 / 生理学 / fMRI / 拡散強調画像 / 脳機能画像 / シミュレーショシ / 脳血管モデル / 脳血流(CBF) |
研究概要 |
脳賦活領域を観察する手法として、機能的MRI(fMRI)では脳血流変化に依存してT2^*像信号値が変化するというBOLD法にもとづいているが、近年、拡散強調画像信号値も脳賦活領域において変化するという現象が発見され、この現象に基づき拡散画像を利用した機能的MRI(DfMRI)が提案されている。我々は脳血液量(CBV)が変化したときの磁気共鳴信号をシミュレーションする技法を確立しており、この手法を応用してDfMRIで示される信号が何をみているのか、その信号帰属を明らかにすることを目的として研究を進めている。平成22年度は、まず、シミュレーション計算時間が長時間必要であり、通常のパーソナルコンピュータでは1つの解析に1週間ほどかかってしまうことを解決するため大型計算機の活用を検討し、並立処理を行うプログラムを作成するなどシミュレーション手法の最適化をおこなった。その結果、大型計算機の性能を発揮するためには、プログラムの最適化が不可欠であり、パーソナルコンピュータと同じプログラムでは、却って解析時間が延びてしまうことが理解された。シミュレーション手法の検討では、MPG印加時間に応じて、シミュレーション時間間隔をどのように設定していくべきか検討した。その結果、シミュレーション時間間隔やMPG印加時間には依存せず、むしろ、血管配置によって見かけ上の拡散定数(ADC)が変化していることを見出した。そこで、文献値に基づき生理条件に近いよう、平均直径3.3μm、分散2.15μmで血管径を分布させ、血管体積比を4%として、DfMRIのシミュレーションをおこなった。その結果、血管径を増大させた場合、b値が大きくなるにしたがって、信号増強比が大きくなる現象を見出し。DfMRIの信号変化が神経細胞の膨潤ではなく、血管径の増大でも説明できることを示唆する結果を得た。
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