研究課題
PIB陰性認知症は臨床的にはアルツハイマー病と診断された患者であるが、アミロイドPETが陰性でアミロイドの蓄積が証明されない認知症患者を意味する。その背景病理は高齢者タウオパチーを主として、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症また弧発性のアルツハイマー病が含まれるのではないかと考えている。本年度の研究では、昨年に引き続き当科物忘れ外来を受診する認知症患者の中から、上記の定義に当てはまるPIB陰性認知症患者を抽出したが、本年度は2例の患者をエントリーすることができた。そしてそれらの患者に対して、当初の研究計画で予定した通り、FDG-PET、MRI、髄液中のAβおよびTau蛋白の測定を行い、ApoE遺伝子多型を決定した。また本年度は、レビー小体型認知症を鑑別診断するために全例にMIBG心筋シンチを行うこととした。これは中枢神経疾患には保険適応外となるため倫理委員会の了承を得た。健常対照群はボランティアで応募した人に対して、認知機能検査、頭部MRIを行い確認できた人に同心筋シンチを行った。その結果我々の対照群の中には心筋シンチで取り込みの低下が認められる、いわゆるレビー小体型認知症該当する患者は存在しなかった。また高齢者タウオパチーの中の嗜銀顆粒性認知症を鑑別するためにMRIにて本疾患に特徴的な前方海馬の萎縮を定量的に評価するために画像のSPM解析を行う準備を行った。来年度はさらに患者を集積し、MRIによる解析を行い、この疾患群の背景病理をさらに解析する予定である。
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Neurol Sci
巻: (Epub ahead of print)
J Geriatric Psy Nerulogy
巻: (In press)
Cognition and Dementia
巻: 9 ページ: 33-37