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2011 年度 実績報告書

運動機能可塑性における機能・解剖学的連関の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21613011
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

林 拓也  独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ機能評価研究チーム, 副チームリーダー (50372115)

キーワード可塑性 / 運動 / MRI / 拡散テンソル / 運動機能回復 / 錐体路 / 錐体外路 / 線維連絡性
研究概要

脳卒中をはじめとする脳損傷後の運動機能障害は日常生活機能を低下させる大きな要因である。その運動機能回復を促進するための内因的機構は解明されておらず回復を促進する治療法の開発も進んでいない。これまで患者脳における脳画像法による観察で残存脳局所の活動の増加が機能回復に関わることがわかってきたがその部位がどういう役割を持ちどれだけ回復に重要なのか理解されていない。本研究の目的は非侵襲性画像法を用いて機能的・解剖学的連絡性の変化を観察し、変化部位の因果性を薬剤注入実験により評価することで運動機能回復のメカニズムを探ることである。本年度はこれまでの2年間に引き続き、限局性運動野脳損傷モデル動物における運動機能回復過程の観察とそれに伴い脳内線維連絡性の変化を調べた。霊長類動物を用い一次運動野限局性損傷モデルを作成し、損傷後の急性期に見られる運動機能の低下およびその後2か月間かけて精密把握運動が回復する過程を経時的、定量的に観察した。また同時に、損傷前、損傷後において拡散テンソル画像法と高解像度解剖MRI画像を繰り返し撮像し、脳内の線維連絡性や脳構造の局所的変化をとらえた。その結果損傷後に線維連絡性に係る測定項目「拡散異方性」の上昇が、前運動野など運動関連皮質直下白質や同側の錐体外路系、対側錘体路に見られ、これら部位のFA値は運動機能の回復曲線にも関連していた。一方拡散異方性の低下が、損傷部直下の白質から内包後脚、同側の大脳脚等の同側錘体路で観察され損傷に伴う変性変化を確認することができた。特に有意差が目立った錐体外路系に神経遮断薬を注入することでいったん回復した運動機能の再悪化も観察された。こうした結果から錘体路障害後の運動機能回復に、錐体外路系が寄与することがわかった。脳損傷、脳卒中等による錘体路障害後の運動麻痺回復を促進させる方法を開発するためにも重要な知見が得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Plastic changes in the ventral premotor area after primary motor cortex lesion in macaque monkeys : Possible involvement in functional compensation of manual dexterity2011

    • 著者名/発表者名
      Murata Y, Higo, N, Hayashi T, Nishimura Y, Sugiyama Y, Oishi T, Tsukada H, Isa T, Onoe H
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 2011
    • 発表場所
      Washington, DC
    • 年月日
      2011-11-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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