研究課題
本研究では、WEBサービスを不正利用するマルウエア(悪意の自動プログラム)を排除するために、人間の最も高度な認知処理能力の一つである「ユーモアを解する能力」を利用した究極のチューリングテストを構築し、4コマ漫画CAPTCHAとして実装する。近未来の技術を持ってしてもユーモアを解するレベルの自動機械(マルウエア)を実装することは不可能に近いと推測されるため、4コマ漫画CAPTCHAの攻撃耐性は極度に高いと考えられる。また、漫画を読むことは人間にとって楽しい(エンターテイメント性を有している)ため、4コマ漫画CAPTCHAであれば、正規のユーザが利便性の低下を感じることなく、心地良く(楽しみながら)チューリングテストを受けることができる。しかし、4コマ漫画CAPTCHAの総当たり数(4コマの並べ方)は24(4!)通りであり、24回のうち1回はマルウエアもCAPTCHAを解読できてしまう.また、4コマ漫画CAPTCHAにおけるエンターテイメント性についての評価が未実施であり、4コマ漫画CAPTCHAにおける利便性が明確になっていなかった。そこで本年度は、4コマ漫画CAPTCHAの総当たり数の増加に焦点を当て、単純なCAPTCHAを独立に複数回繰り返す方法、ダミー(囮)のコマを混ぜる方法、複数の4コマ漫画を混ぜ合わせる方法を提案、比較実験によりそれらの有効性を確認した。更に、質問紙による被験者への聞き取り調査を行い、4コマ漫画CAPTCHAのエンターテイメント性について調査した。また、人間の「ユーモアを解する能力」を解き明かすための手掛かりとして、人間がいかにして大量の情報の中から面白いと思える点、または、不思議に思える点を無意識の内に理解するのかを検討した。具体的には、機械翻訳文書の中に含まれる「違和感」を利用したCAPTCHAに対して、その評価を行った。
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Proceedings of IEEE International Conference on Advanced Information Networking and Applications 2011
ページ: 159-166
Proceedings of 2010 International Workshop on Trustworthy Computing
ページ: 575-577
Proceedings of IEEE International Conference on Advanced Information Networking and Applications 2010
ページ: 430-437