研究概要 |
本年度は予備実験の実施と,集合知的解像度変換アルゴリズムの構築について検討を行った.これまでに申請者らが提案してきた二種類の集合知的解像度変換アルゴリズム(提案手法-IおよびIIとよぶ)を,被験者から得たバーチャルカメラワークのデータに対して適用して得られた低解像度動画像に対し,新たに導入した客観評価尺度を用いて提案手法の有効性を評価した. 特に,画面中に視聴者が興味を持つオブジェクトが複数はなれて存在する場合について,提案手法-Iの手法は最も人気のあるオブジェクトを拡大するように振舞うが,これに対して提案手法-IIはすべての人気のあるオブシェクトを可能な限り画面内に収め,かつ人気の低い領域を不自然にならないように取り除く処理を導入している.実験により,これらの異なる二つのアプローチが,異なる特性を持つ対象画像に対してどのような客観品質を示すかが明らかとなり,さらによい解像度変換を実現するアルゴリズム開発のための知見を得た.
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