研究課題
1.前年度に引き続き、ブログを収集し、タグ付けを行った。前年度、各文章に表れている作者の感情を人手によりタグ付けを行ったが、研究結果から見ると、文章単位だけでの感情付けは不十分であり、段落と文単位での感情付けが必要となる。構築した感情コーパスは国際会議で発表され、高い評価を貰った。特に、複数階層の感情付け手法は、ブログ作者の感情推定に極めて重要なので、評価された。2.感情の時系列的な変化解析を行った。上記の感情コーパスをもとに、感情の変化を時系列的に解析し、うつ病との関連性はある程度見つけて、今後、この成果を活かし、心の豊かさに反映する手法を開発することができると考える。例えば、うつ病の患者の時系列では、喜びなどのプラス感情が減少する一方、悲しみなどのマイナス感情が増加していることが分かった。3.自殺傾向やうつ病と、テキスト情報に表われる感情変化との関係の解析を行った。上記の解析結果をもとに心的状態遷移ネットワークを修正し、ブログ等のテキスト情報から自殺傾向等を推定できる方法を確立した。4.テキスト情報による心の豊かさの計測方法を確立した。ブログから得られた感情の時系列データを用い、感情遷移ネットワークを計算した。また、心理学や医学の分野でいわれている心の豊かさについて調査検討を行い、それらをもとに工学としての心の豊かさを定義した。この成果の一部は、電子情報通信学会研究会の招待講演を行い、発表したところ、よい評価を得た。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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