研究課題
本年度では、前年度得られた知見を更に発展させ、以下の研究を実施した。1.豊心工学の定義、学問体系の研究を行い、前年度の心理学や医学の分野でいわれている心の豊かさについて調査結果を基づいて、それらをもとに工学としての心の豊かさを定義した。即ち、心の豊かさは人の命存在の価値観、そして外部からの様々な刺激に対する受ける能力を測る尺度である。2.前年度得られた解析結果をもどに心的状態遷移ネットワークを修正し、ブログ等のテキスト情報から自殺傾向等を正しく推定できる方法の確立を行ったが、自殺者のブログデータの収集が予想より困難なので、大規模なデータの収集が完成されていない。ただし、心理学の成果と看護などの経験を参考にしてある程度、自殺傾向をブログデータから推定できるアルゴリズムを開発した。3.声色や表情、動作、生理的指標などテキスト以外の情報から心の豊かさを測る方法を研究し、テキスト情報とあわせて、マルチモーダルな計測方法を確立した。4.自殺傾向やうつ病が疑われるブログについて、その言語表現や感情表出の特徴について解析を行うと同時に、ブログ以外にも既存の精神保健の知見とあわせて特徴を探ることにより、心を豊かにする方法を研究した。5.以上の成果をもとに、電子情報通信学会研究会で「豊心工学」の招待講演を行った。なお、以下の事実を分かった。豊心工学の学問体系の確立には多くの課題が上げられるが、大きく分ければ、、(1)心の豊かさの尺度を計測する技術の研究、(2)心の豊かさの尺度を向上する工学的手法の開発、という二つが考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
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