研究概要 |
本研究では、近い将来、医用画像の主流が単なる3次元画像から時間方向までも考慮した4次元画像へと大きく変革することを見越し、医用画像処理技術を飛躍的に向上させる「臓器の動き情報」を持つ人体計算解剖アトラスである「ダイナミック人体アトラス」を検討する。本年度は以下の研究項目を実施した。 (1)「ダイナミック人体アトラス」の理論的検討ダイナミック人体アトラスの在り方について,データの収集方法を含めて多方面から検討した。 (2)腹部臓器解剖学的構造データの取得 腹部臓器セグメンテーションデータベース(3次元CT像から体表面・骨格を含む各臓器を半自動的に領域分割(セグメンテーション)した結果のデータベース)を用い、画像による腹部臓器解剖アトラスの構築を行った。 (3)胸部臓器解剖学的構造データの取得 胸部3次元CT像データベースに対して胸部における各臓器のセグメンテーション(領域分割)処理を行い、画像による胸部臓器解剖アトラスを構築した。肺領域・気管支領域のセグメンテーション処理を実行し、それをランドマークとしたレジストレーションに基づく胸部臓器解剖アトラスを構築した。 (4)臓器動きデータの取得 4次元CT画像を利用し、胸部臓器の動きデータを取得する手法を検討した。 (5)臓器単独・相互変形移動数学モデルの検討 臓器の移動,および,相互作用変形を計測した。ここでは、腹腔鏡手術における気腹処理における臓器変形を計測し、モデル構築の基礎を得た。
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