研究課題/領域番号 |
21650049
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
郷原 一寿 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40153746)
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研究分担者 |
内田 努 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70356575)
永山 昌史 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70374585)
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キーワード | ニューラルネットワーク / 遺伝子 / ダイナミクス / 培養神経細胞 |
研究概要 |
2003年のヒトゲノム塩基配列完全解読に代表されるように、分子生物学は急速な勢いで進展し、分野を超えて大きな広がりを見せており、脳科学においても、行動などの脳機能と遺伝子との関係が活発に研究されている。脳の情報処理は、ニューロン間を行き交うインパルスのダイナミクス、即ちニューロダイナミクスとして実現されており、脳情報処理の解明には、ニューロダイナミクスを分子生物学的手法によって理解することが重要である。しかし、そのような研究はほとんど行われていない。そこで、分子生物学とニューロダイナミクスを直接接続する新規研究領域を開拓するための萌芽的な研究を行うことを目的とした。 今年度は、研究実施計画に沿って、主に以下の2点に関する研究を行い、いずれも、多電極アレイ上での実験が可能であることを確認するに至った。 1.免疫蛍光染色条件の絞り込み 試料は(株)SUMILONのラット大脳皮質由来の細胞を用い、ニューロンの核、軸索、樹状突起、興奮性、抑制性、スパインなどの主要パーツ特異的な既知タンパク質発現を免疫蛍光染色によって再現良く同定できる実験技術を確立することを目指した。既知タンパク質発現の蛍光体用抗体ライブラリとして知られているが、温度・濃度などの最適な条件を決定する必要があるので、これらの条件を振りながら、免疫蛍光染色条件を絞り込むことによって、再現性を確認することができた。 2.既知タンパク質の発現時期同定法 培養初期から異なる時期で免疫蛍光染色を行うことによって、既知タンパク質の発現時期を同定することを試みた。(株)SUMILONのラット大脳皮質由来の細胞を、多電極プローブに1平方ミリメートルあたり500個の密度で撒き、5%CO_2を封入した培地でプローブを満たした培養条件で行った。さらに実験を続ける必要があるが、方法は明確になった。
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