研究課題/領域番号 |
21650063
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
赤平 昌文 筑波大学, 副学長 (70017424)
|
研究分担者 |
青嶋 誠 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (90246679)
小池 健一 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (90260471)
大谷内 奈穂 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教 (40375374)
|
キーワード | 不偏性 / 十分性 / 完備性 / 有効性 / 統計量 / 推定量 / リスク / 分散 |
研究概要 |
本研究課題の下で、逆問題的構造の解明のための基礎研究を行った。まず、統計学において重要な役割を果している情報不等式によるリスク等の下界について考えると、この下界は沢山存在するので、その中で最良なもの、すなわち最大な下界が望ましい。そこで、最小分散不偏推定問題において一様最小分散不偏(UMVU)推定量の構成について従来、様々な提案がなされてきたが、特に、Jani and Dave(1990)のアプローチに着目してその構成法を詳しく検討した。その方法で本質的なことは完備十分統計量の分布に大きく依存していて、不偏性の条件から積分方程式を解く形である。本研究では、完備十分統計量の分布を表現している関数に適当な条件を付加して、もっと具体的に構成する方法を考案した。この条件は比較的に簡単にチェックできるという利点を持っている。また、同様なアプローチを2母数指数型分布族の場合に拡張し、その例も提示した。従来の方法は、1母数の場合に限定されることが多いので、新奇性があると思われる。1母数指数型分布族の場合には、一定の条件があればCramer-Rao型の情報不等式による下界がUMVU推定量の存在によって最良になるが、多母数の場合には、まだよく分かっていない。今後、よく検討していきたい。従来、よく知られた分布については完備十分統計量の分布は求められていたが、一般には、その分布を求めることは容易でないことが多いので、そのことも踏まえた上で今後の研究を進めたい。
|