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2010 年度 実績報告書

中枢神経系ニューロン樹状突起パターン形成原理の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21650074
研究機関京都大学

研究代表者

見学 美根子  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 准教授 (10303801)

キーワード樹状突起 / プルキンエ細胞 / 分化 / リモデリング
研究概要

本研究は、小脳プルキンエ細胞をモデルとして、樹状パターン形成機構に細胞間相互作用(局所活動や細胞間接触)によるプログラム非依存的なニューロンの樹状突起形態のりモデリング機構を明らかにすることを目標とし、今年度は以下の課題に取り組んだ。
(1) プルキンエ細胞樹状突起分岐の時空間的ダイナミクスと制御シグナルの同定:幼若個体から解離したプルキンエ細胞を分散培養下で長期間タイムラプス観察し、樹状突起成長のダイナミクスを明らかにした。細胞形態を抽象化して樹状突起の伸長、分岐、退縮の速度、頻度などの時空間的遷移を定量的に解析し、数理モデルを構築してシミュレーションを試みた。その結果、接触依存的な突起退縮が生体でのプルキンエ細胞に特徴的な分子空間分布に重要な影響を与えることが明らかになった(論文投稿準備中)。
(2) 入力線維の活動による樹状突起リモデリングのメカニズム:前年度の研究で、生後発達期のマウスにハルマリンを持続的に投与し登上線維の活動を昂進させると、プルキンエ細胞樹状突起のリモデリングが阻害されることが明らかになった。ハルマリン投与によるリモデリング阻害機構を明らかにするため、ハルマリン投与の時期を振り、入力する登上線維活動がプルキンエ細胞樹状突起のリモデリングを誘導する有効な時期(臨界期)を解析した。その結果、樹状突起形成を撹乱するためにはハルマリン投与は生後2週齢の4日間以上必要で、3日間では樹状突起パターンへの影響は見られないことが明らかになった。またトレーサーBDAまたは膜移行型tdTomatoを発現するウイルスベクターを下オリーブ核ニューロンに注入して形態学的な入力パターンを精査し、登上線維入力と樹状突起形態の相関関係を明らかにする系を確立した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Sonic hedgehog signaling regulates actin cytoskeleton via Tiam1-Rac1 cascade during spine formation.2010

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, N., Kurisu, J., Kengaku, M.
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Neuroscience

      巻: 45 ページ: 335-344

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Polarized targeting of DNER into dendritic plasma membrane in hippocampal neurons depends on endocytosis.2010

    • 著者名/発表者名
      Kurisu J, Fukuda T, Yokoyama S, Hirano T, Kengaku M
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry

      巻: 113 ページ: 1598-1610

    • 査読あり
  • [学会発表] イメージングによるプルキンエ細胞樹状突起空間パターンの決定機構の解析2011

    • 著者名/発表者名
      見学美根子
    • 学会等名
      第88回日本生理学会大会第116回日本解剖学会総会・全国学術集会合同大会
    • 発表場所
      誌上開催(招待講演)
    • 年月日
      2011-03-30
  • [学会発表] プルキンエ細胞樹状突起パターンのダイナミクスと形成原理2010

    • 著者名/発表者名
      見学美根子
    • 学会等名
      Neuro2010(第53回日本神経化学会大会、第20回日本神経回路学会大会)
    • 発表場所
      神戸(招待講演)
    • 年月日
      2010-09-04

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公開日: 2012-07-19  

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