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2009 年度 実績報告書

成体ニューロン新生の日内リズムとその生理的役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21650075
研究機関東京大学

研究代表者

眞田 佳門  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (50431896)

キーワード成体ニューロン新生 / 概日リズム / 海馬
研究概要

哺乳類の成体脳では、海馬歯状回などの限られた領域において神経が継続的に産生されている。しかし、この成体ニューロン新生と呼ばれる現象の生理的役割は未だ謎に包まれている。これまでに私共は、マウスの海馬歯状回において、神経前駆細胞の分裂およびニューロン新生が昼に減衰し、夜に亢進するという日内変動を示すことを見出している。生体内の様々な生理現象は24時間周期の日内変動を示し、この概日リズムは体内に存在する概日時計によって生み出される。このことから、海馬ニューロン新生も概日時計によってコントロールされていると推定できる。
近年の解析により、概日時計の発振機構も分子レベルで調べられており、主要なコンポーネントは明らかになっている。Clock蛋白質は概日時計の発振に必須の転写因子であり、Clock蛋白質のC末端部分(転写活性化ドメイン)を欠損した変異マウスは概日時計機能に異常を示す。そこで生体内に存在する概日時計が海馬ニューロン新生の時刻依存性を生み出していることを明らかにするため、Clock変異マウスを入手した。さらに、ヘテロ変異マウス同士を掛け合わせて生まれたホモ変異仔マウスおよび同腹の野生型仔マウスを明期12時間・暗期12時間の明暗サイクル下で飼育した。生後4週令で離乳して、生後6週目のマウスを用いて、様々な時刻において脳を単離して海馬歯状回におけるM期細胞数(リン酸化ヒストンH3陽性細胞)の時刻依存的な変化の有無を調べた。興味深いことに、ホモ変異マウスのみならず野生型マウスにおいても、神経前駆細胞の分裂リズムが観察できなかった。ヘテロ変異を持つ親マウスも概日リズムの異常を呈することから、概日リズムが異常である親マウスに養育されることによって、仔マウスの海馬における神経前駆細胞の分裂リズムに異常が生じる可能性が推察できた。このことは、神経前駆細胞の分裂リズムの役割を考える上で、非常に興味深い。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] DYRK1A and GSK-3β:A dual kinase mechanism directing proteasomal degradation of CRY2 for circadian timekeeping.2010

    • 著者名/発表者名
      KURABAYASHI Nobuhiro
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 30

      ページ: 1757-1768

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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