研究課題/領域番号 |
21650095
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
廣田 秋彦 島根大学, 医学部, 教授 (50156717)
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研究分担者 |
伊藤 眞一 島根大学, 医学部, 准教授 (10145295)
榎本 浩一 島根大学, 医学部, 助教 (70112125)
濱 徳行 島根大学, 医学部, 助教 (60422010)
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キーワード | 透明電極 / 膜電位の光学測定 / ガリウム添加酸化亜鉛 / 曲面形状 / ラット / 感覚運動野 / 皮質脳波 |
研究概要 |
初年度の本年は計画通り、成体ラット脳の感覚運動野の曲率半径約20mmによくフィットするように、凹面の曲率半径が20mm、中央部分の厚さ(Tc)が頭蓋骨表面から脳表面までの距離である2mm強以上ある平凹レンズを電極のベースに用いて、曲面状透明電極を試作した。Tcが2mmもある厚手の平凹レンズは市販されていないので、直径10mm、焦点距離10mm、Tcが3mmの市販の凹面鏡を購入し、平面部を鏡面研磨し、凹面部に蒸着してあるアルミを酸で除去することにより、所定のサイズの平凹レンズとした。ラット脳正中部には太い血管が前後方向に走っていて、頭頂部の頭蓋骨を正中部を含めて除去することは極めて困難であるため、平凹レンズを中央で切断し、半円形の形状とした。この電極基板である平凹レンズの円周部分の角を丸めてから、レジストで5つの扇形に分け、凹面部および側面全体に透明な導電体であるガリウム添加酸化亜鉛(GZO)の薄膜をスパッターにより成膜した。レジストを溶剤で除去後、それぞれの扇形部分に1ヶ所、最終的にGZOを露出させて電極とする直径約300μmの部分を設け、ここと側面部下半分のGZO膜をレジストで覆い、レジスト以外の部分に二酸化珪素膜をスパッターにより成膜し、絶縁した。レジストを除去し、この処理を施した電極基板(半切した平凹レンズ)を支持用のガラス板に透明なシリコンゴムで貼り付け、側面のGZO膜が露出した部分に、導出線を銀ペーストで取り付けた。最後に、側面部下部を透明なシリコンゴムで被覆し、電極部分以外をすべて絶縁した。このようにして5つの電極を持つ曲面状透明電極を作製した。この透明電極を用い、ラット大脳皮質感覚運動野より光学的膜電位測定を行っている記録部位内の5ヶ所から、光学測定と同時に皮質脳波を記録することに成功した。
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