冠動脈の動脈硬化プラークの進展及び破綻に密接に関係するVasa vasorumの臨床的評価方法として、血管内超音波法(IVUS)と同様のシステムで、光と音のハイブリッドにより血管内から外膜側の細動脈を特異的に可視化する血管内光音響イメージングが有効と考えられる。本研究では、ナノ秒パルスレーザーの照射により発生する超音波を受信し、プローブを機械的走査することで反射の三次元分布を可視化する光音響顕微鏡装置を試作することで、1.直径50μmの細動脈が可視化できる解像度が得られること、2.使用するレーザー光の波長により血管や動脈硬化組織に特異的なイメージングが可能であることの2点を明らかにすることを研究目的とした。 平成22年度には、光ファイバーによりレーザー光を集光するという新たなアーキテクチャーにより光音響信号の三次元分布を計測し、分解能50μmについて確認した。さらに、10色のファントムを作成し、532nmのYAG:Ndレーザー光照射により特に赤色ファン等からの光音響信号が強いという分光性について確認した。
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