研究の目的: 全く新しい設計理論に基づいて作成した血管新生を誘導する『RNA/DNAキメラ型siRNA』を『ハイブリッド・ナノバブル』中に封入し、『ソノポレーション法』を用いて虚血下肢筋組織に対して低侵襲的なsiRNA導入を行い、虚血周辺部に微小血管の新生を誘導し、新たに形成された側副血行路にて下肢血流障害が改善されたか否かについて組織及び動物個体レベルにて観察し、本siRNAの血管新生効果および本siRNAの局所投与法としての『ソノポレーション法』の有効性を明らかにすることを研究目的とした。 研究実施内容: LacZタンパク質を用いてソノポレーション法の条件設定を行った。LacZタンパク質をハイブリッド・ナノバブル中に封入し、ナノバブルの脂質構造を決定した。さらにナノ気泡の大きさや超音波の周波数等、外来物質を組織に導入するソノポレーション法の条件設定を完了した。さらに体液(血液や漿液)中にてRNA/DNAキメラ型siRNAが分解され難いハイブリッド・ナノバブルの完成を目指した。様々な構造と塩基配列を有する1RNA/DNAキメラ型siRNAとナノバブルの両者を内包し、脂質二重膜にてコートされた構造のハイブリッド・ナノバブルを作成し、体内での分解の軽減を図った。また脂質二重膜の内側は液相のため、キメラ型siRNAは長期間、安定した状態にて保存される。キメラ型siRNAが、ナノバブル中に内包されたか否かについてヌクレアーゼ処理後、電気泳動法を用いた泳動度の大きさ(バンドの分子量)にて核酸の有無を判定した。
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