(1)DC特異的バブルリポソームの開発とMHCクラスI抗原提示効率の評価(ex vivo法): バブルリポソームのGMP製造を確立する点について、リポソーム調製にエタノールのみを用いたGMP製造法を検討した。その結果は、まだ改良の余地があるものの8割方完成した。バブルリポソームと超音波を併用しin vitroにおいてマウスプライマリーDCへの蛍光ラベル標識したOVA導入を行い、顕微鏡で細胞内挙動を観察し、ex vivoでの導入条件(リボソーム量と抗原量比、照射強度・時間など)を評価したところ、エンドサイトーシスを止めた条件での導入を確認することが出来た。同時に、MHCクラスIへの抗原提示効率を確認した。 これらの検討で得られた結果を踏まえて、DCへの抗原デリバリーに最適なバブルリポソームおよび超音波照射条件を検討中である。 (2)In vivoにおけるDCへの直接免疫法の開発とその有用性の評価(in vivo法): 実用化を考慮した場合、癌ワクチンの創製、予防はもちろん簡便性および患者への負担の観点からDCを用いたex vivo法ではなく、直接in vivoに抗原を免疫する方法の開発が望まれる。現在、モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)、モデル腫瘍細胞としてOVA発現細胞(EG7-OVA細胞)を用い、EG7-OVA担癌マウスモデルに対して、バブルリポソームとOVAの混合溶液を皮内注射し超音波照射して、検討中である。リポソーム量と抗原量比、照射強度・時間などの最適な条件を検討している。
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