研究概要 |
1. リアルタイム積分筋電計(1台)の試作 機器の能力は、10チャンネル評価でき(同時に10個の筋の評価ができ)、無線で通信可能な機器で、24時間積分値を集積できる機器である。本機器の開発により、運動訓練を行わせている際の筋放電量が、各筋の最大筋放電量の何%出ているか(%MVC値)が、リアルタイムに評価可能となった。【連携協力者】高知市布師田 企業化支援センター内((有))恵比寿電気池龍美、野中徹 2. 機器の精度調査 本機器を用いて評価した積分値(%WC)と従来型の「あと」で計算して行う積分筋電計と出た値の違いを評価した。相関計係数r=0.61 p<0.01であった。相関係数が低い原因は、表面電極の電気抵抗が高いと、ハムが入る事であり、表面電極の電気抵抗を必ず1kΩ未満に落とすことが正確な積分値の導出に必要とわかった。しかしこの点は、次年度から展開する一般化へのアプローチ(次年度フィールド調査)に関して、問題解消が必須の課題と思われた。 3. 体幹・下肢筋の筋力と積分値が相関する筋の同定調査 評価対象:5人の左右の体幹(腹直筋,腹斜筋,背筋Th6,L1,L5),左右の下肢筋(内側広筋,大腿直筋,外側広筋,大腿二頭筋,中殿筋)と積分筋電量の相関関係の調査を行った。結果、体幹筋のうち、腹直筋,腹斜筋では筋力と筋放電の相関は見られなかった。背筋Th6,L1,L5では、L1に貼付した部位が、r=0.58 p<0.05と弱い相関が見られた。下肢筋では大腿直筋は、rニ0.78 p<0.01がもっとも良く相関した。しかしこの筋放電の様式は開放性運動連鎖での筋収縮に限られ、閉鎖性運動連鎖では相関が見られなかった。次年度から展開する運動指標の参考となった。
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