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2009 年度 実績報告書

Divided attentionの障害に対する評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21650142
研究機関東海大学

研究代表者

豊倉 穣  東海大学, 医学部, 教授 (20217566)

キーワードリハビリテーション / 高次脳機能障害 / 注意障害 / 分配性注意 / 評価 / 臨床検査
研究概要

脳損傷後によって生じる注意障害には、持続性、選択性、容量性(分配性)など,いくつかのサブコンポーネントが報告されている。複数課題を同時処理するdivided attention(以下DA)はもっとも高次の機能であり,ごく軽微な脳損傷でもその障害が生じ得る。しかしながらそのための検査法はなく,注意障害軽症例に標準的検査を実施してもDAの障害を見逃す可能性がある。本研究はDA障害に特化した新たな検査法を開発するものである。本年度は,主に健常者を対象に机上課題の吟味を行った。健常者38名(平均年齢30歳)を対象に新しく考案したDA検査を実施した。本検査は聴覚的課題として数字の抹消課題(正答数は20),視覚的課題として4桁の加算(筆算)を同時施行するものである。なお,他の注意検査としてpaced auditory serial addition task(PASAT)(2秒)も行い,先のDA検査成績と比較した。聴覚課題の正答率,計算問題の正解数はそれぞれ90~100(平均99)%,17~37(平均26)題であった。いずれも教育年数,PASATの正答率とは相関しなかった。聴覚課題がほとんど全例で全問正答なため,計算問題の正解数を評価指標とするのが妥当と考えられた。これらの知見をDAの障害が疑われ,復職に失敗した脳外傷例(31歳)の成績と比較した。本例では,標準注意検査法(新興医学出版)では明らかな異常を認めなかった。しかしDA検査上,抹消課題は全問正答したが,計算問題は明らかに低成績であった。以上より,注意検査法として新たに考案したDA検査の有用性が示唆された。今後はさらに健常対照者数を増やし,より広い年齢範囲での基準値を設定する。加えて脳障害者の成績とも比較したうえで本検査法の意義,限界を検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Divided attentionの障害に検する検査法の開発:検査成績の検討2009

    • 著者名/発表者名
      豊倉穣
    • 学会等名
      第33回日本高次脳機能障害学会
    • 発表場所
      ホテルロイトン札幌(札幌市)
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] Divided attentionの障害に対する検査法の開発:課題内容の検討2009

    • 著者名/発表者名
      豊倉穣
    • 学会等名
      第33回日本神経心理学会
    • 発表場所
      東京ドームホテル(東京都)
    • 年月日
      2009-09-25
  • [学会発表] 高次脳機能障害とその評価:「注意」障害を中心に2009

    • 著者名/発表者名
      豊倉穣
    • 学会等名
      第46回日本リハビリテーション医学会学術集会(シンポジウム)
    • 発表場所
      グランシップ静岡(静岡市)
    • 年月日
      2009-06-04
  • [学会発表] 高次脳機能障害とは:その症状と対応2009

    • 著者名/発表者名
      豊倉穣
    • 学会等名
      第22回静岡作業療法学会市民公開講座(特別講演)
    • 発表場所
      沼津市民文化センター
    • 年月日
      2009-05-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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