研究概要 |
Divided attention(以下,分配性注意)は複数課題を同時処理する高次の注意機能である。本研究では聴覚的課題と視覚課題を同時に行う2重課題を考案しその診断特性を検討した。両者の課題成績を加味した判定基準を設けると感度89%,特異度88%と良好な結果が得られた。標準注意検査法(CAT)(日本高次脳機能障害学会,興医学出版)の感度より概して高かったが,両者の成績が乖離する場合もあった。本2重課題は分配性注意の評価という観点からCATとは相補的に診断価値を有する可能性が示唆され,感度も高いことからその臨床有用性が示された。
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