機能的発声障害(FD)の明らかな責任病巣は解明されていない。 理由として1)発話の被検者は人間のみで動物実験が不可能、 2)PETを用いることも可能であるが被爆、侵襲的、 3)非侵襲的器機である脳磁図では頭皮から2cmの深さのレベルまで、 4)f-MRIではその雑音117dBにより音声のフィードバックが正常に機能せず発話が成立しない、 等考えられ、現状では、「非侵襲的なf-MRIの騒音環境下において、音声言語・聴覚フィードバックリンクが機能する生理実験手法」が理想の発話時の客観的脳活動計測法であると考えられる。 我々のこれまで開発した機能的MRIの騒音環境での聴覚フィードバック実験装置を用いて、機能性発声障害の責任病巣、中枢のスイッチ機構などを解明し、有効な中枢の刺激法を見出す。 さらに昨年度末、簡易赤外線トポグラフィーを導入できたため、本機器は簡易型で左右前頭葉のみ表示可能である。発声時における前頭葉の関与に関して、これまでの手法とともに検証してゆく。 これまでのところ、ささやき声の中枢でのコントロールの方法がいくつかに分類された。 実際の心因性失声患者を用いた分析もあわせて行い、その関連性に関し、赤外線を含めて検証する。現状では前頭葉の関与が大きく考えられた。
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