研究課題
主任研究者は心因性失声の生理的病態モデルとしてのささやき声の研究を行い、ささやき声における喉頭調節を喉頭筋電図、内視鏡、MRIを用いてを解明してきた。その病態としての心因性失声に対し、新しい治療法としてのカラオケ療法を確立した。これらの研究から発声モードの変換を行う中枢のスイッチ機構(角田理論:角田忠信. Proc. Jpn. Acad. 1973, Psychother Psychosom. 1979)の存在が改めて示唆され、この中枢調節を機能的MRI(fMRI)を用いて解明することを目的とした。日本人にささやき声、正常発話をその生理的に発生できる状態を想定し、視覚による刺激でそれぞれの条件を切り替え、6回ずつ比較した。その結果ささやき声の中枢調節は、前頭葉の活性が上昇してささやき声を出させるタイプと、左右の脳の活性が変換するタイプに分類された(主任研究者. Med Hypotheses. 2009)。ついで心因性失声患者の協力を得て治療前後での脳活動の比較を行ったところ、前頭葉の活性の有無での分類が可能と示唆された。(主任研究者ら. J Voice. 2012) そこで前頭葉および大脳半球の左右差を確認すべく、その先駆け学説である「角田理論のうち、日本人の脳の特異性」をfMRIにて行った。その結果「虫の声」を認識できる被験者の83%で角田理論を裏付ける結果が出た。そこで簡易型赤外線トポグラム用いて検証実験を行いその各刺激音に対する左右脳血流流の変化を比較した。その結果、人種を問わず日本語で育った人間(=日本人)では78%が虫の声を言語脳、人種を問わず日本語以外で育った人間(=非日本人)では73%が虫の声を非言語脳で分析する傾向が明らかになり、角田忠信の理論を支持する結果となった。今後は左右差を用いて臨床にむけ本研究を行い心因性失声患者の予後、治療選択の判定に応用したい。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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