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2009 年度 実績報告書

構音障害者のための音声生成器の提案と試作

研究課題

研究課題/領域番号 21650149
研究機関東京大学

研究代表者

伊福部 達  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (70002102)

研究分担者 中邑 賢龍  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (70172400)
福島 智  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50285079)
田中 敏明  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任教授 (40248670)
上田 一貴  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (10403594)
キーワードバリアフリー / 発話支援 / 音声合成 / ノンバーバル
研究概要

平成21年度では、研究目的に向けて、以下の項目を実施し、平成22年度の課題を明確にした。
(1)目的:筋・神経系障害(筋萎縮や失語症・発話失行)により発話が困難になった障害者のために、テキスト情報に加えて、リズム、抑揚、笑い、怒りなどのノンバーバル情報を表出できるような実用的な発話支援機器を開発する。
(2)実施項目:
ウェアラブルPCとポインティング・デバイスを用いて、音声を生成するパラメータを直接的に指やペンの動きで制御できる「高温障害者の音声生成器」を試作した。利用される場面として家庭内やリハビリ現場を想定し、そのパラメータの制御により得られた連続音声がどこまで正確に認識され得るのか、生活の場のコミュニケーション手段としてどこまで有用かを評価した。
(3)評価結果
(a)日常使用する100単語の生成実験を行い、その認識率や合成速度を調べた結果から、認識率は母音や半母音からなる単語で70%と高かったが、摩擦音(サ行)で30%と低いことが分かった。次に、(b)非言語情報を付加できるように、表面圧センサの付いたポインティングデバイスを用いて、筆圧や指の押圧により抑揚を制御できるようにした。その予備実験による評価から、「急ぎ」、「笑い」、「怒り」などを表わす抑揚を30分程度の訓練で単語に付加できるようになった。
以上から、使用頻度の高い音声ほど何かを緊急にリアルタイムで伝えたいときに有用であることを確認した。
(4)次年度の課題
認識率を向上させるために、摩擦音(サ行)や破裂音(パ、タ、カ行)の音源となる「乱流音」を本インタフェースにどのように組み込むかという課題が残された。また、本インタフェースを構音障害支援だけでなく、「発話失行支援」に活かす方法を追求する。同時に、多くのユーザに利用してもらうために、歌を生成できるような「音声楽器」へ拡張していく予定である。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (12件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ポインティングデバイスを利用した音声生成方式-発話障害者のための支援機器として-2009

    • 著者名/発表者名
      藪謙一郎, 伊福部達, 青村茂
    • 雑誌名

      日本保健科学学会誌 Vol.12.No.1

      ページ: 49-57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポインティングデバイス型音声生成方式における非言語情報の表出-会話時における感情表現手段として-2009

    • 著者名/発表者名
      藪謙一郎, 伊福部達, 青村茂
    • 雑誌名

      日本保健科学学会誌 Vol.12, No.2

      ページ: 117-124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ポインティング・デバイスで操作する発話支援インタフェース2009

    • 著者名/発表者名
      藪謙一郎, 伊福部達, 青村茂
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会論文誌 Vol.11, No.4

      ページ: 135-145

    • 査読あり
  • [学会発表] "超感覚"のナゾ解きから生まれる情報バリアフリー2010

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第43回知覚コロキウム
    • 発表場所
      新潟
    • 年月日
      2010-03-25
  • [学会発表] ITと福祉工学-ヒトとロボットの身体感覚コミュニケーション-2010

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第2期シニアビジネス異業種研究会2009
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-03-05
  • [学会発表] 福祉工学の視点から視覚障害者の能力を科学する2010

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      富山大学大学院生命融合科学教育部公開研究会『誰でもわかる視覚障害者の能力』
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2010-02-20
  • [学会発表] 福祉工学のアプローチと夢2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第35回(2009年)感覚代行シンポジウム,感覚代行研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-07
  • [学会発表] 伊福部教授の音と科学と音楽の世界2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      サイエンスアゴラ2009
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-11-01
  • [学会発表] 学習障害補償のための福祉工学の役割2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第4回日本情動研究会・発達障害を科学する
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] Assistive Technology for hearing, Speaking, and seeing on barrier-free society in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      日本・スウェーデン国際会議-ジェロントロジー-,Japan-Sweden Conference on 'Challenges and Opportunities in Aging Society'
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-08
  • [学会発表] 脳科学とバリアフリー2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第1回「応用脳科学」シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-15
  • [学会発表] 『見る』『聞く』『話す』を助けるICRTとその展開2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      情報理工の産学連携研究会(R2PWG4)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-08-31
  • [学会発表] 福祉工学の挑戦-その基礎科学と新規産業-2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第19回産学官交流懇談会・産学官連携推進プラットホームJSTイノベーションプラザ石川・石川高等専門学校振興交流会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2009-08-27
  • [学会発表] Assistive Technologies for"Hearing","Speaking"and"Seeing"on Barrieir-Free Society in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      グラスゴー大学Japan UK 150、Friendship beyond Boundaries,「バリアフリー社会を目指して」
    • 発表場所
      英国グラスゴー大学
    • 年月日
      2009-06-16
  • [学会発表] 『聴く』『話す』『見る』のを助ける音の福祉工学-超感覚のナゾ解きから生まれたモノ-2009

    • 著者名/発表者名
      伊福部達
    • 学会等名
      第22回日本乳腺甲状腺超音波診断会議
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-04-26
  • [図書] 新老年学、VI高齢者支援機器・技術、第7章2将来技術IT技術ー「見る」,「聞く」、「話す」機能を支援するIT2010

    • 著者名/発表者名
      伊福部達(分担執筆)
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      東京大学出版
  • [備考]

    • URL

      http://human.rcast.u-tokyo.ac.jp

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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