研究課題/領域番号 |
21650157
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
小浜 明 仙台大学, 体育学部, 教授 (70170298)
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研究分担者 |
長見 真 仙台大学, 体育学部, 准教授 (10364390)
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キーワード | 実践共同体論 / 状況的学習論 / 参与観察 / 保健体育科教師 / 養成と現場の接続性 / 質的研究 / 教員養成教育 / 学びの履歴 |
研究概要 |
米国の多くの州では、教員養成のための大学院レベルの教職専門教育等(修士課程とは限らない)で、長期の教育実習等(カリフォルニア州立大学ロングビーチ校では20週の教育実習の他に、学校インターシップやフィールドワーク)が実施される。そこで、実験的に「教員採用試験に合格した4人の学生(プレ教師)」に対して、比較的長期の参与観察期間(小学校、中学校各週2回、約3ヶ月に渡って)を設定し、そこで生成する「学びの履歴(視点:何を見ているか)と(時間的変化:どう変容しているのか)」を、「日誌」「学びのレポート」「インタビュー」から分析した。初めに、日誌をデータベース化し、「(出現3語以上を100%とした中から)2%以上を出現した語」の第1位は「子ども(児童・生徒)」、第2位は「教師」であり、以下「教授行為」「わかる」「できる」「教場環境」「価値」「授業の(展開)方法」「授業」「教科書」が視点として仮説的に得られた。次に、これら仮説的に抽出された学びの視点の時間的変化を(その源泉も含めて)、インタビューと学びのレポートから分析した。その結果、大学での体験と既得知識から子どもへのまなざしと同時に教師の指導へと視線が照射され、成長する仲間として徐々に共同体へと受け容れられつつ、比較や指摘、示唆を通して実践的知識の探求者へと変容していく様子が浮かび上がってきた。一方で「自分だったらどうするか」や「授業の様式・形態・段階・手順・技能・構想・計画」の視点が、頻出語分析では得られなかったが、インタビューからは得られた。しかし、これらの変容は確認できなかった。これらの視点が変容するには、自らの日々の実践や仲間の実践に学び、さらには公私的な授業研究会での学び合いを通じてでないと不可能と考えられる。研究の中間成果は、東北及び全国私大教職課程研究大会で報告し、22年度にも国内学会で発表の予定である。
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