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2009 年度 実績報告書

アスリートにおける現実適応と個性化の関係性

研究課題

研究課題/領域番号 21650159
研究機関筑波大学

研究代表者

中込 四郎  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40113675)

キーワードアスリート / 現実適応 / 個性化 / カウンセリング / 事例検討 / コツの獲得
研究概要

本研究課題は、アスリートの現実適応(広義のパフォーマンス向上)と個性化(内的成熟・心理的成長)との間での共時的な関係性を種々の側面から明らかにすることを目的とした。本年度は、次の2つの下位課題に取り組んだ。1)アスリートの相談事例に見られる「自己形成」の特徴:過去に経験した3名のアスリートの心理相談事例を分析対象とした。事例1は「頑張りたいけど頑張れない」、事例2は「膝が痛くなることと体重オーバーのために走れない」、事例3は「人に会いたくない、競技場に行きたくない」を主訴として来談そして相談が継続された事例である。これらの事例からは、自己形成を果たす上で、競技経験が随伴的自己価値の強化につながることが非常に多く、本来感の獲得に繋がる経験となり得ていないことが認められた。そしてこれらの背景には、自己形成過程において、「自己信頼感の不足」「主体性の欠如」「自己充足感のうすさ」「競技状況への過剰適応」といった4つの特徴が見出された。2)アスリートの個性化にける「コツ」獲得の意味:4名の元オリンピック日本代表陸上競技選手を対象者として、半構造化面接が実施された。主な面接の観点は、獲得した「コツ」の内容、「コツ」獲得のプロセス、「コツ」獲得後の変化、等であった。質的研究方法を活用して、面接記録が分析され、対象者らに共通して認められる要因を抽出した。その結果、コツ獲得がアスリートの個性化の過程で果たす役割について、「競技生活での転換点」「競技に対する主体的感覚の獲得」「アスリートとしてのアイデンティティの確立」が認められた。本か題に対しては、今後さらに分析事例を重ねていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] アスリートの相談事例に見られる「自己形成」の特徴2009

    • 著者名/発表者名
      江田香織・中込四郎
    • 雑誌名

      臨床心理身体運動学研究 11

      ページ: 17-27

    • 査読あり
  • [学会発表] Psychological meaning of athlete's experience acquiring kotsu(knack)in their individuation process2009

    • 著者名/発表者名
      Nakagomi, S., Kotani, K
    • 学会等名
      ISSP 12th World Congress
    • 発表場所
      Morocco
    • 年月日
      2009-06-19
  • [学会発表] Development of "Basic Psychological Ability" Scale for athletes2009

    • 著者名/発表者名
      Kotani, K., Nakagomi, S., Takeda, D.
    • 学会等名
      ISSP 12th World Congress
    • 発表場所
      Morocco
    • 年月日
      2009-06-19

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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