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2009 年度 実績報告書

運動時の脳グリコゲン代謝とトレーニング適応:新たな運動生理学的指標づくり

研究課題

研究課題/領域番号 21650166
研究機関筑波大学

研究代表者

征矢 英昭  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50221346)

研究分担者 川中 健太郎  新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (80339960)
キーワード運動 / 脳 / 筋 / グリコゲン / 血糖 / 超回復 / 高エネルギーマイクロ波 / トレーニング
研究概要

運動時,筋グリコゲン(GLY)は運動の強度や持続時間に依存して減少し,運動後に十分な糖質を摂ることで超回復する.一方,脳GLYは定量が困難なため運動時の代謝は全く不明である.最近,高エネルギーマイクロ波(HMW)の導入で脳GLY定量が可能となり,脳GLYが低血糖や急な神経活動の増加により分解・利用されることが示された.長時間運動は低血糖を引き起こし,中強度(乳酸閾値,LT)以上の運動は脳全体の神経活動を高めることから,脳GLYは運動時に脳のエネルギー基質として分解・利用される可能性がある.本研究では,HMWによる脳GLY定量法を確立し,運動時の脳GLY代謝を解明することを目的とした.まず,11週齢の成熟したWistar系雄性ラットをイソフルラン麻酔の後HMWで屠殺することで,脳GLYの精確且つ安定した定量を可能とした.次に,ラットをトレッドミル走行に馴化させた後,分速20m(LT強度付近)の走運動を行わせ,運動前,運動30,60,90,120分,運動後3,6,24時間にそれぞれHMWにより屠殺し,脳(全11部位),筋(ヒラメ・足底筋),肝臓を採取しGLY定量に供した.併せて血糖値も定量した.血糖は運動中盤まで維持され120分で減少したが,運動直後の糖質摂取によりすぐに回復した.筋・肝GLYは先行研究同様持続時間依存的に減少し,運動直後の糖質摂取により24時間後に超回復した.一方,脳GLYは運動中盤まで変化しなかったが,低血糖が起こる120分において,特定の脳部位にのみ50%程度の減少がみられた。特定部位とは,運動に関与するとされる部位(皮質,海馬,視床下部,小脳,延髄)である。この回復は運動直後,糖質摂取の有無にかかわらず,運動後6時間後に約20%みられた。これらは,脳GLYが長時間運動による疲労時に分解・利用されること,更に,トレーニングを積むことで筋同様に適応する可能性を示唆する.脳GLYのトレーニング適応については現在検討中である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 脳を活性化させる運動-海馬の可塑性を高める運動条件の探索-2009

    • 著者名/発表者名
      征矢英昭、山村侑平
    • 雑誌名

      体育の科学 第59巻

      ページ: 189-197

  • [学会発表] 激運動による疲労困憊は脳グリコゲンを枯渇させるか?2009

    • 著者名/発表者名
      松井崇, 岡本正洋, 一谷幸男, 川中健太郎, 征矢英昭
    • 学会等名
      第64回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県)
    • 年月日
      2009-09-18
  • [学会発表] Brain glycogen depletion following prolong exercise in rats2009

    • 著者名/発表者名
      Matsui Takashi, Okamoto Masahiro, Kawanaka Kentaro, Ichitani Yukio, Soya Hideaki
    • 学会等名
      International Sports Science Network Forum in Nagano 2009 Program
    • 発表場所
      軽井沢プリンスホテル(長野県)
    • 年月日
      2009-08-02
  • [学会発表] Exercise-induced depletion of glycogen in some brain loci2009

    • 著者名/発表者名
      Matsui Takashi, Okamoto Masahiro, Kawanaka Kentaro, Ichitani Yukio, Soya Hideaki
    • 学会等名
      The 36th International Congress of Physiological Sciences.
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-07-31
  • [学会発表] 激運動時の低血糖と脳グリコゲンの減少2009

    • 著者名/発表者名
      松井崇, 岡本正洋, 川中健太郎, 征矢英昭
    • 学会等名
      第17回日本運動生理学会大会
    • 発表場所
      東京慈恵医科大学(東京都)
    • 年月日
      2009-07-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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