研究課題/領域番号 |
21650177
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
鈴木 直人 同志社大学, 心理学部, 教授 (30094428)
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研究分担者 |
手塚 洋介 大坂体育大学, 体育学部, 講師 (80454578)
福田 美紀 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (80587030)
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キーワード | 校庭の芝生化 / 心身の健康 / 運動量・運動能力 / 子どもの環境 / 生活リズム / 地域コミュニティ |
研究概要 |
校庭の芝生化が児童の運動及び,心身の発達に及ぼす効果を検討するために、1.心身の発達及び健康の変化、2.友達関係の変化、3.遊び場・遊び仲間の変化の3つの観点から検討した。 校庭を芝生化することによって児童の心身の健康が向上した。具体的には芝生化前後のストレス反応に変化があり、特に芝生化前ストレスが高かった高群はストレスが軽減するストレスことが明らかになった。その一方芝生化前にストレスが低かった低群はストレス反応が増加した。この理由として以下の3つのことが理由として考えられる。1つ目は、運動量が増加に伴うストレスの発散。2つ目は、芝生がリラクセーション効果をもたらしたこと。3つ目は、芝生化後のストレスイベントの増加がストレス低群のストレスが増加に影響を及ぼしたと考えられる。 今回の調査では芝生化前から思いやりの程度が高かったため大きな変化がなかったが、対人的な協力や援助をしようとする気持ちを表す他者向社会的行動が全ての群において芝生化後、増加した。芝生化後の遊び場所が変化し、教室で遊ぶよりも運動場を好んで遊ぶようになり、同性で遊ぶよりも男女混合で遊ぶ遊びが増え、10人以上の大人数で遊ぶようになった。こうした遊び内容・遊び仲間の変化が対人葛藤場面を生じさせ、対人ストレスは増加したがその中で友達関係のあり方や規範などを学んだため、向社会的行動が増加したと考えられる。 今回の結果は、芝生の環境要因の効果だけでなく、学校の影響や地域の影響、発達的な要因など様々な要因が影響を及ぼしている可能性も考えられる。これらの点を明らかにするためには、様々な角度から引き続き調査を行うことが必要と考えられる.
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