研究概要 |
本年度は、養育者(親)の養育態勢と子どもの睡眠状況の関連性を解明するという目的のために、養育者に1ヶ月間、生活日誌および睡眠日誌を作成させ、子どもの睡眠状況に影響をもたらす因子を抽出し、総合的に分析・考察した。 その結果、子どもの睡眠習慣(目的変数)に対して,母親の就寝時刻(21:00以前)という説明変量が.57(p<0.1),各家庭の睡眠文化(有無)という説明変量が.62(p<0.1)という相関性がみられた。つまり,子ども(特に,乳幼児)の睡眠習慣に関して,母親の就寝時刻の早さおよび各家庭が有する睡眠文化がプラスに作用する要因となり得ることが判明したのである。 その一方で,子どもの睡眠習慣(目的変数)に対して,メディア関与度(1時間以上)という説明変量が-.51(p<0.1),母親の帰宅時刻(18:00以後)という説明変量が-.41(p<0.5)という相関性がみられた。つまり,子ども(特に,乳幼児)の睡眠習慣に関して,各家庭のメディア関与度の多さおよび母親の帰宅時刻の遅さがマイナスに作用する要因となり得ることが判明した。 本年度の調査結果から,小さな子どもの睡眠習慣に大きく関与するのは,21:00を境とする母親の就寝時刻,各家庭の睡眠文化,(帰宅後の)メディア関与度,18:00を境とする母親の帰宅時刻といった4つの要因にあることがわかった。
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