食べ物のおいしさの要素のひとつである「味」に関する物質のうち、「核酸系うまみ物質」の生成機構について調べた。きのこ類、魚類、野菜類の代表として、シイタケ、アジ、ダイコンの3食品を選び研究試料とした。うまみ物質(イノシン酸とグアニル酸)はプリンヌクレオチドであるので、最初にプリンヌクレオチド代謝経路の概要を明らかにした。次に、うまみ物質が一旦分解された後、再度生成される代謝経路(サルベージ経路)に注目し、この経路に関与する酵素の性質を調べた。最後に、これらの経路が調理・加工・保存条件下で機能する可能性を示した。
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