(1)携帯電話内臓のカメラを使って撮影した画像の中央部の色(RGB値)を認識し、これに応じた色の名前を、携帯電話の音楽再生機能を使って、読み上げるソフトの作成を行った。内臓カメラをソフトで使用する際のソフト上の制約から、静止画を毎回撮影する必要があり、視覚障碍者には使い難いものではないかと恐れたが、盲学校の先生および盲学校の生徒に実際に試用してもらったところ、その点での問題はないという事がわかった。色(RGB値)を名前に変換する部分は今後改良していく必要がある。 (2)先に述べた事でもあるが、携帯電話のカメラでは、カメラに映っている画像をリアルタイムに取得する事が通常のソフトでは禁止されており、この機能を利用するためには電話会社の特別な承認が必要であり、この承認を得るのは現時点では非常に困難であると判断した。そのため、携帯電話とは別に色情報を得るための簡単なセンサー(一種のカメラ)を作成し、あわせて、このセンサーからの情報を携帯電話の赤外線通信機能を使って取得し、色の時間変化を音楽(和音のアルペジオ)として表現するソフトの試作を行った。これも盲学校の先生および盲学校の生徒に実際に試用してもらったところ非常に好評であり、今後センサー部のプリント基板化などを進めていく事とした。また、音楽での色表現は、色の変化を知るのに有効であるが、視覚に障碍のない先生にとっては名前での読み上げ機能もあった方がより使いやすいとの意見もいただき、この機能も追加する事とした。
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