研究課題/領域番号 |
21650212
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
柳本 朋子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70159771)
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研究分担者 |
中本 敦浩 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20314445)
根上 生也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40164652)
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キーワード | 数学教育 / 離散数学 / カリキュラム / 言語表現 / 教材ソフト |
研究概要 |
(1)グラフ作成ソフトの作成に向けて、根上がすでに作成しているグラフ作成ソフト"GM Standard"の改良を検討し、操作可能な段階まで進んだ。英語版も同時に作成が進んだ。(2)小中学生を対象とした「言語表現力」についての調査では、柳本が以前より進めていた、図・式・言葉による問題場面の理解について小学生を対象に調査を行い、図表現や言語表現の教育の必要性を見いだした。これについては平成22年7月学会で発表予定。さらに、(1)でのソフトによって作成した問題を用いて、少人数の小学生・中学生を対象に1対1による面接法で予備調査を行った。その結果、まず、小学校4年生程度でソフトを操作しながらペテルセングラフと同型でないグラフを探す問題などを試行錯誤して考えることが可能であることがわかった。ただし、同型でないグラフについて、なぜそういえるのかを言葉で論証することはそれほど容易ではなく、中学生の段階になって口頭で指摘することができる生徒が少しいる程度であった。 (3)教材作成については、予備調査の結果をもとに、頂点数が5点程度のグラフのものを扱う中で考えさせることからはじめ。徐々に交点数が10程度の複雑なグラフまで考察させることが、適切ではないかと考え、小学生版グラフ作成ソフトを用いて問題を作成した。問題は、同型、次数列、交差数、ハミルトン閉路、連結、マッチング、彩色、補グラフに関するもので、約50問あり、それぞれがファイルを開くと、子どもがすぐに操作しながら考えることができるように作成した。これらの問題を使って、小学生・中学生少人数による予備的な教育実験を行い、教材としての可能性が見いだされた。(4)海外における離散数学の教育は、中等教育の教材が多く、教員養成大学での教育についても議論されていることがわかった。
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