研究概要 |
昨年度,画像情報を表現する目的で,前年度汎用的な有向グラフエディタを作成した.これにより,図形情報を扱うための基本構造情報の基本構造ができ,本年度はこれを使い情報を整理するためのインターフェイスの作成,構造の最適化のための手法の開発,さらにこれらから派生した汎用的な評価手法の開発に取り組んだ. インターフェイスについては,図形の入力保存編集機能を整理し,聴覚障害者支援に用いるノートテイカー用のソフトウェアとして実現した(ATCM2010にて発表).特に授業中の走り書きを想定した入力インターフェイスの最適化を中心課題とし,ショケ積分を用いた評価関数を用いた改良を行った.構造の最適化に関して,昨年度提案した形式でのグラフ化された数式に対して,有効辺の配置を最適化する手法を提案した(15回気持ちのワークショップにて発表).具体的には,グラフ化した情報に対応する説明文の要素をグラフのノードに対応付け,説明に基づく移動や有向辺選択の切り替えなどの操作をを最小にする手法を用いた. これらから派生する,評価手法について順位情報に基づく評価関数の推定手法(15回気持ちのワークショップにて発表:並べ替えられた情報の違いをもとに評価関数の値の差を推定する手法)や,t-ノルム,t-コノルムから得られる行列演算の解析(日本知能情報ファジィ学会誌で発表,情報の伝搬の表現における行列演算の積,和をTノルム,Tコノルムに置き換えた解析),確率微分方程式を用いた時系列データに関する解析(15回気持ちのワークショップにて発表,変化の多い時系列データを確率微分方程式に支配されていると見たときのパラメータの推定)などを行った.
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