研究概要 |
非視覚的情報交換についてその有効性を評価するためには柔軟な評価手法が必要であり,本研究最終年度にあたる年度の研究として,評価手法の理論的研究の追求とその実問題への適用について研究を進めた.評価手法の研究として,主観に基づき複数の人によりある基準で並べ替えられたデータをもとに,その元になる評価基準を定量化する手法に関して,完全データ(対象の全てを並べ替えたもの)と不完全データ(対象の一定個数の一部を並べ替えたもの)に対して,画像の明るさに関する並べ替えデータや乱数で作りだしたデータを用いて解析を行いその有効性を示した(論文リスト1番目と3番目).また,ファジィ測度を用いた解析に対してt-ノルムを用いたショケ積分に関する諸性質を調べた(論文リスト4番目,発表リスト1番目) これらの理論に基づき図形情報の非視覚的情報交換について,触覚をベースにした情報の供給に関する研究および,文字情報をベースにした情報交換に関する研究を行った.図形情報を触覚による伝えるために,手書きで入力した関数のグラフの種類を識別したうえで,整形描画し必要に応じて点図モニタへの出力をするシステムを開発した.図形の持つ情報には概形のほかに,曲線の種類各種パラメータの認識が必要であり,それらに上記の研究の成果を用いている,テキスト情報による伝達については,グラフ構造による伝達が有効であると考え,それらを表現するための表現ルールと情報の重要度の評価について研究を行った.この研究に関しては,2012年7月開催予定の国際学会ICCHP2012で発表予定である.
|