研究課題/領域番号 |
21650230
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大和 裕幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
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研究分担者 |
安達 裕之 東京大学, 大学院・情報学環・学際情報学府, 教授 (20012495)
松本 三和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50157385)
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
橋本 毅彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90237941)
鈴木 淳 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (80242048)
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キーワード | 平賀譲 / 産業技術 / 海軍 / 技術史 / 軍産学複合体 / ディジタルアーカイブ / 歴史知識学 / 情報歴史学 |
研究概要 |
本年度の研究成果は、以下の各号である。 (1)平賀譲が遺した艦艇計画・建造関係の技術資料を中心とする44,000点のデジタル史料群に対する検索・編集システムの基盤を開発した。 (2)メタデータを付与した史料を活用した産業技術史分野での実例研究を行った。 (1)については、セマンティックweb技術を用いて文書の名前、番号、種類、日付、内容キーワードなどのメタデータをRDF形式で44,000件の史料に対して保存・管理し、インターネット上での検索が行えるシステムとなっている。このシステムとメタデータは現在研究室内のサーバに存在し、研究上必要である機能を備えたポータルサイトの基盤として開発された。またwebブラウザが起動するPCさえあればいつでもどこでも使用することができる。検索を行う際には「夕張」とキーワードを入力することによって、当時の建造史料が分類される「夕張」「巡洋艦」「球磨型」というトピックが参照され、これらに関する当時の図面や設計案、雑誌に登場した論評にリンクがなされ、平賀譲ディジタルアーカイブ(萌芽研究19650252課題名:平賀譲ディジタルアーカイブ公開並びに研究体制構築と産業技術史的研究)内の原史料が表示される。同時に、約4万点の史料における(2)で取り扱った分野において、インデックスタグとなるメタデータを付与した。 (2)については、開発した検索システムと付与されたメタデータを活用し、実例として巡洋艦夕張の排水最増加原因を検証した。検証を行う過程において、メタデータと共に蓄積した史料を時系列順に整理・分類し直すことによって、当時の軍艦の図面、建造状況、公開試験の詳細なデータや設計者自身の考察などが記された史料を分析した。これらの分析を基に、当時の設計者がどんなことを考え、設計を行っていたか明らかになり、技術史の観点から研究成果が得られた。
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